概要

前庭とは、耳の奥の内耳にある平衡感覚を司る部位です。前庭疾患とは、平衡感覚を保つことができずにふらふらしてしまったり、車酔いや船酔いのように気持ちが悪くなってしまう病気です。
前庭疾患には中枢性と末梢性があり、末梢性前庭疾患は細菌などの感染による外耳炎・中耳炎の波及や、腫瘍による内耳の炎症により発症します。中枢性前庭疾患は中枢神経(脳・脳幹部)の腫瘍や炎症、中毒などにより発症します。

症状

中耳・内耳炎では片側性の場合、そちら側への捻転斜頚、旋回、斜視や眼振が認められます。特発性前庭障害では、初期には激しい平衡感覚の消失とともに嘔吐を伴うことがあります。

治療

中耳・内耳炎は、徹底的な(1~2ヵ月以上の)抗生物質による治療を行います。良くならない場合には鼓室包切開術および洗浄などの手術が必要となる場合があります。一般には症状は数週間で回復することが多いですが、感染が完治しても捻転斜頚や顔面神経麻痺が残ることがあります。
特発性前庭障害は、通常無治療でも数週間で回復するため、予後は良好です。