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みどり動物病院グループ > 狂犬病について
2023.06.15
スタッフブログ
狂犬病について
さて、今回は狂犬病についてお話します。
犬と生活している方なら毎年予防接種しているので知っている方も多いと思いますが、どうして狂犬病の予防接種が法律で義務づけられているかご存知ですか?

もしかしたら 「日本ではここ何十年も発生してないし、うちの子はおとなしくて咬まないのに、打たなきゃいけないの…?」 と思っている方もいるかもしれません。
そんな方の疑問にお答えし、どんな病気か、予防の重要性を知っていただけたらと思います。

○狂犬病ってどんな病気?
狂犬病は犬だけの病気ではありません!猫、ハムスター、牛、キツネ、アライグマ、コウモリなど、ペット、家畜、野生動物、そして人間を含めた全ての哺乳類の感染症です。
発症するとほぼ100%死に至る怖い病気で、一度発症すれば効果的な治療法はありません。
感染から発症するまでは、咬まれた傷の場所や状態によって異なり、数十日から数年以上経過してから発症したという例もあります。

症状として、初めは咬まれた傷の痛み・痒み・頭痛・発熱があり、その後、不安や興奮により遠吠えやあらゆるものに咬みつく、また食べ物や水を飲みこめない(水を怖がる)、幻覚・呼吸不全・後肢麻痺などがあります。

○なんで日本では狂犬病は発生していないの?
日本でも60~70年前の東京では狂犬病が流行し、多くの犬・猫、そして人が亡くなっていました。
そこで 「狂犬病の発生を予防し、その蔓延を防止し、及びこれを撲滅することにより、公衆衛生の向上及び公共の福祉の増進を図ること」 を目的として狂犬病予防法が執行されました。
地元の行政への登録、狂犬病の予防接種、鑑札と済票を装着することが義務付けられ徹底されたことにより、日本国内では、人では昭和31年(1956年)を最後に発生がなくなったのです

○世界では?
世界では数年前まで5.5万人と言われていましたが、今は7万人が狂犬病で亡くなっています。
狂犬病は日本、英国、オーストラリア、ニュージーランドなどの一部の国々を除いて、全世界に分布しています。
・主な感染源動物
アジア : 主に犬
アメリカ、ヨーロッパ : 犬をはじめ、キツネ、コウモリ、アライグマなどの野生動物
中南米 : 犬、コウモリ、マングースなど

日本は島国であり、検疫もしっかりしていますが、毎年数十頭の哺乳類(ネコ、アライグマなど)がコンテナにまぎれこんだり、密輸入などで検疫なしで上陸してしまう場合もあります。人や物の国際交流が盛んな現代では、海外から日本に狂犬病が侵入する可能性が十分に在り得るのです。

○どうして犬には予防接種や登録が義務づけられているの?
狂犬病は全ての哺乳類に感染するのに、どうして犬だけ?猫は大丈夫なの?と疑問に思いますよね?
それは蔓延の原因となる動物は限られていて、アジア地域など狂犬病の流行国では、犬が蔓延源だからです。
世界中で狂犬病に感染する人の9割以上が犬から感染しているんです。
飼犬に狂犬病の予防注射を接種することで犬での蔓延が予防され、人への被害を防ぐことができます。
現在では日本国内での狂犬病の発生は見られませんが、万が一日本で狂犬病が発生した場合に迅速な対応をとるためにも、日頃から飼い犬がどこに何頭いるのかを把握しておくのは大変重要なことですのできちんと登録していくださいね!(現在はマイクロチップ挿入の登録で飼犬登録も可能となっています。)

狂犬病から愛犬、人々の命を守るためにも1年に1回狂犬病予防接種を確実に受けましょう!!🩺

ちなみに、当院では狂犬病予防接種は1年中お受けいただけますので、春先に忘れてしまった方も、お気軽にご相談下さい♫