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2024.11.17
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ねこ医学会・猫の集会 参加報告

こんにちは。

看護師の鈴木香代子です。

 

先日、臨床獣医師と愛玩動物看護師を対象とした勉強会「猫の集会」に実行委員として参加いたしました。今回のテーマは「猫のがん」で、一日を通して担がん猫に関するセミナーが行われました。

今回は初めて愛玩動物看護師向けのプログラムが設けられ、セミナーが開催されました。私が登壇したのは「担がん猫とご家族の気持ちケア座談会〜SHAREコミュニケーション、アドバンスケアプランニング(ACP)の考え方」というテーマで、一次診療・二次診療の愛玩動物看護師、臨床獣医師、聖路加病院の人間の看護師がそれぞれ、通院する猫に対する工夫やご家族様の心のケア、人間の場合の取り組みについて座談会を行いました。

 

当院からの事例としてお話しした内容には、猫が通院や病院を苦手とする特性を考慮し、通院を少しでもしやすくするための工夫を紹介しました。

具体的には、以下のような取り組みです。

 

◯キャリーの工夫

◯待合室に猫の優先席を設置

◯車内で待機できる番号ベルの活用

◯大声を出さないようインカムの使用

◯猫優先診察室にフェリウェイ拡散器を設置

 

これらの取り組みは二次診療でも同様の工夫が行われていました。また、人間の病院では小児科での対応方法についても話題に上がりました。

通院するがんの猫に対しては、猫が治療や通院に消極的であり、ストレスを感じやすいことから、優しく迅速な対応を心がける重要性について述べさせていただきました。

ご家族の心のケアに関しては、がんと診断された際や治療が思うように進まない際に、ご家族が抱える負担について議論しました。費用面、気持ちの負担、ご飯を食べなくなる、薬を飲まないなど、日常生活での悩みにどのように寄り添うかについて話し合いました。

動物の治療方針を決定するのはご家族様であり、人間の医療では「代理意思決定」として他者が意思を代行しますが、動物の場合も「誰が猫の今後の治療を決定するか」という話題が重要視されました。一般席にいた参加者から「猫が毎日一緒に寝ている人が治療を決定するのがスムーズである」との意見が出て、会場内で大きな賛同を得ました。

 

今回の座談会では一次・二次診療の愛玩動物看護師、人間の看護師、獣医師との意見交換が行われ、参加者からの意見を聞くことができ、より良いキャットフレンドリーな病院作りに向けた貴重な場となりました。

今年の猫の集会における愛玩動物看護師の参加人数は125名、学生は9名でした。今後も、猫に優しい病院作りのために、このような取り組みを多くの方々に広げていきたいと考えています。