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みどり動物病院グループ > アトピー性皮膚炎に対する食事管理
2024.11.30
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アトピー性皮膚炎に対する食事管理

看護師の福田です。

今回はわんちゃんの「痒み」についてお話させていただきます。

 

ご自宅のわんちゃんは、痒みで悩んでいませんか?

痒みの原因は、皮膚のバリア機能が低下し、アレルギー物質が侵入することでアレルギー反応が引き起こされる場合があります。ここでは、痒みを改善するための 皮膚ケアのポイント を3つご紹介します。

 

ポイント1:保湿ケア

皮膚のバリア機能を支えるうえで重要なのは、皮膚の最も外側にある「角質層」です。特にアトピー性皮膚炎には、セラミド配合の保湿剤が効果的です! わんちゃんも人と同じように、スキンケアや保湿を行うことで症状の緩和が期待できます。

また、「被毛が脂っぽいから」といって頻繁にシャンプーをするのは逆効果です。シャンプーを控え、沐浴のみでも皮膚状態が改善することがありますので、ぜひ試してみてください。

 

ポイント2:食物アレルギーへの対処

アトピー性皮膚炎を持つわんちゃんの約3分の1が、食物アレルギーを併発していると言われています。主な原因はハウスダストや花粉などの環境抗原ですが、食物アレルゲンも関係している場合があります。

食物アレルギーの疑いがある場合には、除去食試験 を8週間(約2ヶ月)行うことが推奨されます。この試験により、食べられるもの・食べられないものを特定することが可能です。

食事が関わってくる場合のアトピーでは、食べれるもの、食べれないものを早期に見ておく必要があります。

注意点として、除去食(食べられないもの)を続けることは避けましょう。痒みと皮膚炎が元通りになるまでは8週間程度かかりますが、除去食と休薬(1週間)で痒くなくなることが期待できます。 (食事が関係していない場合や、症状がクリアになっている場合は薬物療法を再開する必要があります。)

治療の流れは次の通りです。

栄養療法の開始 → 減薬 → 痒みのコントロールを目指す。

 

ポイント3:栄養療法の実践

わんちゃんの毛艶や毛量を良くするには、タンパク質、必須脂肪酸、ビタミンE などの栄養素を見直してみましょう。

「アトピーだから仕方ない」と諦めるのではなく、痒みや皮膚炎がコントロールできている場合は、さらに良い皮膚・毛質を目指すために栄養療法を活用するのがおすすめです。

以下は、療法食に含まれる有効成分の例です。

炎症・痒みを抑える成分:オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)、クルクミン

免疫調整・抗酸化物質:クルクミン、グリチルリチン、ビタミンE(+A)、タウリン、ルテイン

皮膚バリアサポート:リノール酸+亜鉛、P.N.C.H、オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)

「スキントピック」などの療法食をはじめ、これらの成分が含まれているフードは、痒みや炎症の改善に効果が期待できます。

ぜひ参考にしてみてください。

 

まとめ

痒みの原因と対策は、わんちゃんの健康管理にとって非常に重要です。保湿ケア、食事管理、栄養療法を取り入れることで、症状の改善が期待できます。 わんちゃんの快適な生活をサポートするために、ぜひこれらのポイントをお試しください!

 

看護師 福田