前回、グリーフとはなんなのかをお話させていただき、ペットもグリーフを抱えるということも知っていただけたと思います。
今回はそんなペットが抱えるグリーフについて、ペット目線で考えてみましょう。
●ペットと野生動物の違い
野生動物とペットの大きな違いは「名前を呼ばれる暮らし」であるかどうかです。
おうちではなんと呼ばれていますか?
ペットにとっての自分の名前はかけがえのない宝物です。
飼い主さんにとっても出会った頃になにかきっかけや理由があってつけた大切なものなのではないでしょうか。
ペットとは「名前を呼ばれる暮らし」をしている動物たちです。
●ペットのグリーフ
ペットにとっていつも慣れている生活に変化が起こるとグリーフが発生します。
・飼い主さんが携帯とにらめっこ
・飼い主さんの笑顔の喪失
・食事や行動の制限
など、他にもたくさんあります。
病院で病気を診断されたとき、お家に帰ってから病名を携帯で調べたりしていませんか?
もちろん病気について知ろうとすることや自分のできることを探すことはとても素晴らしいことです。
ですがそれによってペットとの触れ合いの時間が減っていたりしないでしょうか。
病気を診断されたショックで笑顔が減っていませんか?
ペットは大好きな飼い主さんには笑顔でいてほしいのです。
雰囲気がいつもと違う、それだけで不安になります。
そして自分の病気や老化が罪となり、最終章を生きることになってしまいます。
自分が病気になったから、年老いてしまったから、とペナルティに感じてしまうのです。
●ペットのグリーフケア
では飼い主さんがペットのグリーフケアをするために必要になってくるのはなんでしょうか。
病気のペットのために何をしてあげたいですか?
ペットのお気に入りや喜ぶこと、得意なことはどんなことでしょうか。
ホッとして、リラックスしているのはどんな時でしょうか。
大好きなおうち、人、同居のペット、ごはんやおやつ、遊び、散歩など、ペットにとっては宝物なのです。
ペットにとってうれしいことが減ったり無くなってしまった時に「宝物の喪失」=「グリーフ」の発生が起こるのです。
ペットにとって大切な宝物をできるだけ守っていくために、いろいろなアイデアを考えることができるのは個性を一番よく知っている家族です。
ペットはグリーフケアをしてもらうことで、どんな時も自信を失わず勇気とともにハッピーライフを続けることができるでしょう。
看護師 村上