大切なペットとの暮らしはとても楽しく、幸せですよね。
そんな大切なペットになにか異変があったら…
幸せな日常が失われたら…
考えるだけでも悲しい気持ちになるかもしれません。
しかし、そう考えるのは飼い主さんだけでなくペットも同じなのです。
ここでは飼い主さんとペットの幸せな生活を最後まで守りぬくために、少しだけ知っておいて欲しいことをお話させていただきます。
●グリーフとは
「グリーフ(Grief)」とは直訳すると「悲嘆」になります。
自分にとって大切なものを失ったとき、失うかもしれないと想像した時に起こるごく自然な心と身体の反応です。
人や場所、物、役割、健康、ペット、気持ち、習慣や生活リズムなど、
生きていると必ず喪失体験をしています。
対象が大切であればあるほど大きなグリーフになります。
●ペットロスについて
ペットの喪失で発生したグリーフを「ペットロス」と呼びます。
こちらは「死後のグリーフ」となります。
でも実は「生前のグリーフ」というのもあります。
ペットが「ごはんをたべない」「元気がない」などなにか異変があった場合、心配になったり、不安になったりしますよね。それが生前のグリーフです。
この2つは非常に似た心理過程が現れます。
●グリーフの心理過程
グリーフの心理過程には基本パターンが存在します。
このサイクルは人によって様々で、すぐに立ち直る人もいれば、何年もかかる人もいます。
このことを少し知っておくだけでも、グリーフに陥ったときに回復しやすくなるかもしれません。
Ⅰ 衝撃期:ショック 頭が真っ白
↓
Ⅱ 非痛期:悲しい、自分のせい、誰かのせい、怒り
↓
Ⅲ 回復期:現実を受け入れる
↓
Ⅳ 再生期:新たな出会い
●ペットのグリーフ
グリーフが発生するのはペットも例外ではありません。
いつものごはん、いつもの場所、いつもの習慣、人、家族など、ペットにとってそれは当たり前の日常であり、そこに変化が起こったり、失われるとグリーフが発生します。
例えば、初めての入院やお泊りなど、大好きな家族と離れることはペットたちにとってとても大きなグリーフでしょう。
そのグリーフをケアできるのは、ペットにとってかけがえのない存在である飼い主さんなのです。
通院や入院、お泊りの際にはぜひお家で使っている毛布やタオルなどを持ってきてあげてください。
その子のグリーフを少しでも和らげていけるような、その子にあった工夫を一緒に見つけていきましょう!
看護師 村上 七虹