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2019.01.10
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専門馬鹿

昔、若い頃に私の師匠となる人から教えられたことの一つに「専門馬鹿になるな」という教えがあります。
獣医師という職業は、国家試験に合格するすればすぐに先生と言われる仕事につきます。
何もできずに、医療スタッフさんから尻を叩かれているうちは、まだ謙虚に教えを請い、学びにも一生懸命でしょう。
ですが、3年もするとそろそろ勘違いが始まる。ご家族さまに対する態度が尊大になってくる。
自分の価値観や考え方、教科書の正しさを高説する所謂「先生」です。
社会経験もなく、礼儀も知らなくても、「有難うございます」と言われながらお金を受け取る仕事ができてしまう。
心していないと、ついぞ天狗になってしまうものなのです。
ちょっと考えればわかること、あなたが相手にしているご家族さまは、貴方よりも人生に長けて、礼儀も作法も社会から叩き込まれて、辛い経験、苦しい思いを沢山しながら仕事をしてきた人たちです。そういう方々を相手に仕事をしている覚悟があるかどうか、それだけで他人に対する謙虚さも出てくるものです。
専門馬鹿への道は、小動物臨床という狭い世界で生きるリスクみたいなものです。そうならないように、様々な業種の人たちとの仕事を超えた関わりを持つことが大切だと考えています。

院長