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みどり動物病院グループ > 犬に多い心臓病、「僧帽弁閉鎖不全症」について
2023.12.05
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犬に多い心臓病、「僧帽弁閉鎖不全症」について

こんにちは。

立川みどり動物病院 院長の宮本です。

 

立川みどり動物病院は、2020年に立川のグリーンスプリングスという商業施設内に開院し、おおよそ3年半が経ちました。開院当初から比べると、さまざまな病気の診察も増えてきました。

立川みどり動物病院では積極的に循環器診療に取り組んでいますので、今回は犬の循環器疾患で最も多い「僧帽弁閉鎖不全症」について書こうと思います。

 

僧帽弁閉鎖不全症は、7歳以上の高齢の小型犬~中型犬に多い病気です。心臓の左心房と左心室の間に僧帽弁と呼ばれる弁があり、これがうまく機能しなくなると血液の逆流が生じ、心臓への負荷が増大します。

初期の段階ではほとんど症状がありませんが、病気が進行してくると以下のような症状がみられることがあります。

・咳がでる

・疲れやすくなった

・元気がない

・寝る時間が増えた

・呼吸が苦しい など

 

この病気の大事なポイントは、早期発見です。

心臓への負荷が一定のレベルを超えている場合には、症状がまだみられない段階であっても、治療を開始したほうが心不全に至るまでの期間が1年以上長かったというデータがあります。

また、近年では手術による治療が選択されることが増えてきていますが、これも経過を見極めた上で、適切なタイミングで手術を受けることが、手術の安全性を高めることにつながります。

 

僧帽弁閉鎖不全症の早期発見のためには、以下の2点が重要です。

・定期的に診察で聴診を行うこと

・聴診で心雑音が見つかった場合に、早めに検査を受けること

 

心臓に異常があれば、聴診器で心臓の音を聞くことで、病気が発見できることが多いです。また、詳しく心臓の検査をすることで病気の診断と現在の重症度がわかります。

 

特に聴診は動物さんへの負担がほとんどないので、普段の診察時から実施しています。

そのため、調子がいい時でも時々病院へ来ていただけると、心臓病の早期発見にもつながるかと思います。

 

シニアの年齢になると、体調面での不安などが徐々にでてくるのではないかと思います。動物さんを診察したり、普段の様子の変化などを聞かせていただくことで、その不安が少しでも解消できたらと思いますので、いつでもお声がけください。

 

獣医師 宮本