私がみどり動物病院の存在を知ったのは、大学の就職説明会でした。実はすでに地方の動物病院への就職希望を出そうと考えていたので、実習に向かったのは本当に偶然でした。学生の頃はたくさんの実習先に伺いましたが、みどり動物病院が異なっていたのは、患者様に対する寄り添い方や、スタッフ間での関係性のとり方でした。患者である動物にも処置の度に話しかけている姿はとても新鮮で好印象でした。また、スタッフ同士も分からないこと、自信が持てない事があった際に、「助けて」と声をかけると必ず誰かが立ち止まって、一緒に考えている姿も見かけました。その姿を見て、この病院ならば右も左もわからない私でも、一から育っていける、自分も頑張れるのではないかと感じて、就職希望を出すことになりました。
入社の決め手で述べたように、やはり動物たちに対する愛情やホスピタリティに重きを置いている部分が、当院の魅力のように感じます。どのスタッフも行動する際に最初に考えるのは、患者様やそのご家族の気持ちはどうだろうか、どうすれば気持ちに寄り添えるのだろうかという部分は、どの場面でも見受けられます。また、スタッフ間のコミュニケーションの取り合いも比較的円滑に感じます。特に獣医師間は先輩・後輩の関係性はありますが、互いに意見をしっかり伝え合うことができ、上下での軋轢はありません。
体調が悪くなった動物たちが元気になり、家族の元へ帰っていく姿を見るときは本当に嬉しく思います。その瞬間は家族はもちろん、動物たちも笑顔を見せてくれるので多少辛いことがあっても頑張ってよかったと思います。また、最近はシニア期に入ってきた子とその家族のケアにもやりがいを感じるようになりました。一緒に過ごせる時間のリミットが見えてきたからこそ、その残りの時間をどれだけ元気に過ごせるか、どれくらい幸せな時間にしていけるか、その手伝いを獣医師として携われることに意義を見出すようになりました。
入社するまでは、自分が接したことのない場面に陥った時に、冷静さを保つことが苦手でした。特に緊急時の対応は、診察に出るようになったあとも、とっさの場面では思考回路が止まってしまうことが多々ありました。しかし、臨床の現場ではいつも突発的な何かが起こるのが日常茶飯事です。毎日、自分が新しいことに触れることで、一瞬どうしようと感じても、落ち着いて必要な行動に移せるようになってきたと思います。数年臨床に携わった経験値のおかげでもありますが、途中で心が折れずにここまでこれたのは、本人が頑張ろうとしたときには、最大限のフォローと励ましをくれる周りのスタッフに恵まれていたからだと思います。今も隠れて焦っていることもありますが、スタッフにはばれているようです。
1番苦戦したことは、患者様とのコミュニケーションのとり方です。最初はご家族を前にしただけでとても緊張してしまい、自分が話したいことを伝えるので精いっぱいでした。診察で何を話したか記憶がほとんど無いなんてこともありました。1年目の夏には、自分は臨床に向いてないなと悩むくらいになっていました。そんなこともありながら、悩みを乗り越えられたのは、話を聞いてくれる大学や会社の同期の存在でした。互いにこんなことで困った、迷ったということを話すことで、自分に足りない部分が明確になっていったように思います。何より、互いに励まし合えたことが、前向きな気持ちに繋がってくれました。
臨床に飛び込んでから早いもので丸6年経過していました。大学生活と同じ時間、臨床を続けていますが、まだまだ力不足と感じる場面も多々あります。今後は、自分が興味をもって勉強している腫瘍の専門性を高めていきつつ、その治療の延長線にある、グリーフケアについても学びを深くしていきたいと考えています。いつかは訪れる動物たちとの別れはとても悲しいものですが、それまでに過ごした経験はかけがえのないものになると思います。獣医師として動物たちの健康維持のために努力をするのはもちろんのこと、動物たちにとってもその家族にとっても、一緒に過ごす生活が実りあるものになるよう、多方面からお手伝いができる獣医師を目指して頑張っていきたいと感じています。
※2023年3月時点のインタビュー内容になります。
週40時間換算で、1ヶ月で160時間の勤務時間になるように、シフト調整がされています。早番、フル番、遅番の3つの出勤形態で調整されています。
8:15 | 出勤・入院症例の処置 |
---|---|
9:00 | 午前中の診療開始 |
12:00 | 午前の外来終了 |
13:00 | カルテ記入・検査・手術 |
14:00 | 退社 |
8:15 | 出勤・入院症例の処置 |
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9:00 | 午前中の診療開始 |
12:00 | 午前の外来終了 |
13:00 | 手術・預かり検査 |
14:00 | お昼休憩 |
15:30 | カルテ合わせ |
16:00 | 午後の診療開始 |
19:00 | 診療終了 |
19:30 | 入院症例の処置・清掃 |
20:00 | カルテの記入・先輩獣医師に相談・退社 |
15:15 | 出勤 |
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15:30 | カルテ合わせ・入院状況の把握 |
16:00 | 午後の診療開始 |
19:00 | 診療終了 |
19:30 | 入院症例の処置や院内の清掃 |
20:00 | カルテの記入・先輩獣医師に相談・診察 |
20:30 | 退社 |
1年目
最初は看護スタッフと同様に、動物の扱い方やご家族とのコミュニケーションの取り方を学びつつ、1年を通して臨床獣医師としての技術を習得していきます。
2年目
新しく入社した獣医師の教育係を担います。後輩の指導をしていく中で、自分に足りないことも教えてもらえるので良い経験になります。自分自身の得意分野について考える1年間にもなります。
3年目
内科や外科などある程度の症例には自分の力で対応できるようになりますが、悩む事も多いので、先輩・後輩に関わらず、意見交換をしていきます。分院への出勤も増えます。
5年目
日々の診療に携わりながら、病院の運営にも関わります。診療業務だけでなく採用や教育関連など、病院の将来に関わる仕事もあるので、新しい経験が続きます。